特別講座vol.7 開催レポート|飯塚園芸代表 飯塚勝志氏

講演テーマ
「生産者から見た新品種の特性と利用について」
日時 :2026 年 2月 21日(土)
場所:波止場会館 1階多目的ホール
住所:〒231-0002 横浜市中区海岸通1-1
飯塚園芸・飯塚 勝志さん講座まとめ
先日開催された講座「生産者から見た新品種の特性と利用について」では、花苗づくりの土台となる土づくりや育苗の現場、そして新品種や育種をめぐるリアルなお話まで、幅広い学びがありました。
長年現場に立ち続けてきた飯塚さんの言葉は、技術だけでなく、園芸の未来や業界の課題にもつながる内容でした。
苗づくりは、まず「土」から始まる
植物に合わせて赤玉土など複数の資材を組み合わせ、なるべく軽く、扱いやすく、それでいて持ちの良い用土を目指すこと。さらに、雑草の種が入らないよう消毒し、清潔な状態を保つこと。
園芸の現場では、見た目に現れる以前の段階で勝負が決まります。
「土」は苗づくりの最初の品質管理なのだと感じました。
「均一」が、苗の品質をつくる
用土をポットに詰める作業も、現在は機械化が進み、同じ量をスピーディに、均一に入れる工夫がされています。パレット等でまとめて準備し、ハウスへ直接運ぶことで、効率と品質を両立しています。
苗づくりで大切なのは「揃い」。
土量が均一で、植え付けも均一であることが、その後の生育を安定させます。
苗が揃っていないと、その後の成長も揃いません。シンプルですが、とても重要なポイントです。
育苗環境は一つではない
育苗はベンチ上だけでなく、地面に並べるケースもあります。
特に冬場は地熱の影響も大きく、環境によって仕上がりが変わることもあるそうです。
また、苗は成長に合わせてスペーシング(間隔調整)を行い、揃いを整えていきます。
苗が「だんだん揃っていく」工程そのものが品質管理なのだと感じました。
多品目を支える、緻密な生産計画
年間を通じて多くの品目を作り分け、出荷時期に合わせて細かく生産計画を立てています。
定番は大量生産になる一方で、アイテムによっては数百〜千程度の少量生産もあります。
種類が多いということは、それぞれの管理方法とスケジュールを同時に回すということ。
生産現場の設計力が問われる世界です。
花の仕事は、市場出荷だけではない
生産した苗は市場を通じて店頭へ並ぶのが基本ですが、装飾や植栽、イベントなど、さまざまな現場で花が使われています。
テレビ装飾や街路のハンギング、大規模なガーデニングイベントなど、花が活躍する場は想像以上に広く、スケールも大きいものです。
新品種と育種をめぐる現実
品種には育種家や生産者の努力があり、そこへのリスペクトが本来はあります。
一方で、流行品種が出ると一気に広がり、飽和してしまうこともあります。
珍しさや話題性だけではなく、最終的には「売れる仕組み」、つまりマーケティングが重要になるというお話も印象的でした。
園芸業界の今
資材費や人件費は上がっている一方で、価格転嫁が難しいという現状があります。
経営が厳しくなり、撤退する生産者もいるという現場の声も共有されました。
横浜園芸博への期待
横浜で開催される園芸博は、業界にとって大きな転機となる可能性があります。
ただし、大量の植物を使うためには予算と管理体制が不可欠です。
そして、園芸を広げるためには「難しくしすぎない」ことも大切。
子どもや初心者が成功体験を得られる入口づくりが、未来の園芸につながるというメッセージが心に残りました。
今回の講座は、花苗生産の現場のリアルが詰まった時間でした。
GREEN FINGERSとしても、こうした知見を共有しながら、園芸の魅力を広げていきたいと思います。
[プロフィール]
飯塚 勝志 (イイヅカ マサシ)
江戸時代から続く農家の15代目として生まれ、戦後の減反政策により祖父の代から花き生産を始める。
大学卒業後、就農し32年花生産一筋
飯塚園芸 代表
生産規模(埼玉農場 2500坪)(軽井沢農場 1500坪)
主な生産品種:球根ベゴニア フォーチューン 花壇苗各種
主な出荷先:テーマパーク 都立公園等の植栽 園芸店 全国花市場
大手通販
埼玉県認定農業者
鴻巣FNG初代会長
代々木公園円形花壇ボランティア代表






