[開催報告] 2025 年 8月 30日横浜植木株式会社 武田 由香さん 特別講座vol.4

2025 年 8月 30日
横浜植木株式会社 武田 由香さん 特別講座vol.4
講師は、横浜植木株式会社の武田 由香さんをお迎えして、無事開催されました。
🌿 開催情報
- 講演テーマ 横浜の公共の緑化空間における植栽管理 ― 新港中央広場を事例として ―
- 日時 2025年8月30日(土)13:00〜14:30
- 会場 TIME SHARING 横浜関内 セルテアネックス 〒231-0016 神奈川県横浜市中区真砂町3-38 セルテアネックス 3階
(※皆様のおかげで定員数を大幅に超えてしまったため、当初予定されていた「横浜市開港記念会館」から会場変更となりました。)
- 参加資格:特になし
- 参加費: GREEN FINGERS会員:2,000円(税込) ビジター:2,500円(税込)
💬 当日の様子
講座では、新港中央広場の現場を中心に、公共空間における植栽デザインや管理手法について、とても具体的かつわかりやすい解説が行われました。
武田さんは、季節ごとの植物選定や維持管理の工夫、土壌・水管理といった日常的な視点に加え、新港中央広場のデザイン背景や植栽レイアウトの意図、色彩バランスに至るまで、実践現場での経験に基づいた詳細なお話をしてくださいました。
特に印象的だったのは、「美しく見せるだけでなく、持続的に維持できることが大切」という視点です。
見た目の美しさだけでなく、植物の生長スピードや根張り、作業効率までを考慮した設計・管理の工夫についても語られ、管理者としての実践的な考え方に多くの参加者が深く頷いていました。
会場には多くの参加者が集まり、特に植物の組み合わせやメンテナンスに関するお話には、皆さま熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
その場でメモを取る方や、講師に直接質問をされる方も多く、実際の現場に活かそうとする真剣な姿勢が強く感じられる時間となりました。
また、武田さんは実際の現場写真や作業工程のスライドを用いながら、成功事例を惜しみなく共有してくださいました。
「こうすればうまくいく」といった経験談は、プロならではの視点が詰まっており、その誠実なお人柄と、経験の深さに裏打ちされた説得力あるお話に、参加者の皆さんも安心感を持って耳を傾けていたのが印象的でした。
丁寧で親しみやすい語り口と、実務経験に基づく豊かな知識によって、
会場は終始あたたかく、前向きな雰囲気に包まれていました。
最後には、植物との向き合い方や、管理する立場としての責任と楽しさについても語られ、
講座終了後には「また武田さんの話を聞きたい」との感想が多数寄せられるなど、
多くの学びと余韻を残す素晴らしい時間となりました。

さらに講座の後半では、福島由子さんが登壇され、近年注目を集めている「ナチュラリスティックガーデン」の魅力について、国内外の事例を交えながら、情熱的かつ丁寧にご紹介いただきました。
ナチュラリスティックガーデンとは、自然界の植生や景観にインスピレーションを得て、人の手で再構成された庭のスタイルで、四季を通じて変化に富んだ景観を楽しめることや、生態系への配慮があることから、近年ヨーロッパやアメリカ、そして日本でも高い関心が寄せられています。
中でも、この分野の第一人者として国際的に活躍するランドスケープデザイナー、ピート・アウドルフ(Piet Oudolf)氏の作品が紹介されると、参加者の皆さんもその詩的でダイナミックな植栽風景に魅了されている様子でした。
植物のライフサイクルや構造を深く理解し、自然と設計のバランスを極めたピート・アウドルフ氏の庭づくりについて、福島さんが熱く語ってくださいました。
続いて、ナチュラリスティックガーデンでよく使われる宿根草やグラス類が紹介されました。
それぞれの植物が持つフォルムや質感、色彩の移ろいが、植栽全体に立体感と奥行きを与えることが説明され、特に、宿根草とグラスを組み合わせた植栽デザインにより、手入れを簡素化しながらも、長期的に美しい景観を維持できる点が強調されました。
武田 由香
大学卒業後、大手緑化会社勤務ののち英国にてガーデンデザインを学ぶ。
帰国後海外旅行添乗員、エクステリアプランナーを経て2006年より横浜植木株式会社勤務。
2017年 第33回全国都市緑化よこはまフェアの運営業務を担当。
2018年度より新港中央広場 日本大通り等の緑地管理を担当。
保有資格:
- 一級造園施工管理技士
- 一級土木施工管理技士
- ガーデンアドバイザー

GREEN FINGERSより
今後も魅力的な講座を企画してまいりますので、ぜひご参加ください。